歯の治療を終え、待合室で会計を待っていたところ、一人のおじいちゃんがクリニックに入ってきた。

80歳前後の小柄で小太りな可愛い感じのおじいちゃんでしたが、呼吸が荒くフガフガしていた。

僕は特に気にすることなくスマホをいじっていると、

「違うの。違うの。そこはマイナンバーカードを置くところなの。」という受付の女性からの声。

視線を送ってみると、その老人は遠くを見つめたまま、フガフガしながらマイナンバーを読み取る機械に手を突っ込んでいた。

まるでうちのワンコがお手をしているような感じで。

僕は吹き出しそうになりながらもそのやり取りから目が離せなかった。

「吉田さん、違うの。そこはナンバーを置くところなの。」

少し大きな声で呼びかけると、我に帰ったような表情で手をマイナンバーカードの読み取り機械から外し、保険証なのかマイナンバーなのかを受付に渡していた。

本人は手相で本人確認ができる最新のテクノロジーだと思ったのであろうか。

いずれにせよ、その機械に手を突っ込んでいる光景が頭の中から離れず、ひっしに笑いを堪えていました。

数分後、その老人は名前を呼ばれ、フガフガしながら診察室へと入っていった。



さてさて、僕はまだ付いていけているとは思っているが、今後も時代の変化のスピードについていけるだろうか?

先日、全く今の時代についていっていない化石のような同級生と話をしたとき、妙に悲しい気持ちになった。

もう淘汰される年齢なのかな、と。

少し前には『おじいちゃんだからスマホなんて使えない』とか言われていたが、今後は『おじいちゃんだから、AIなんて使えないよ』とかいう時代になっていくのかもしれない。

僕は最新のガジェット等には興味があるので、新しいものには飛びつく方であるが、ずっと続くかどうかはわからない。

とにかく今の時代についていって老害にならないように注意したい。

 

そして、もう付いていけないと思った時にはいさぎよく身を引こうと思う。

北村




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